メディカルドクターの募集情報

医薬品の販売戦略を企画・立案し、実行するマーケティング担当者

製造・情報・販売部門との調整役も担う

PM(プロダクトマネージャー)は「プロマネ」とも呼ばれ、一般的には、担当する医薬品の販売戦略を企画・立案し、実行するマーケティング担当者です。

医薬品がターゲットする領域の市場動向や患者の潜在ニーズ、他社製品の分析などを行うとともに、他社との共同プロモーションの推進、MR(医薬情報担当者)と協力して自社製品に関連する研究を学会などで発表するための準備も行います。

また、医薬品は厚生労働省から製造承認を受けた後も、臨床現場で使用されるまでには時間的なラグが生じます。そこでPM(プロダクトマネージャー)は、医薬品が市場に出る前の段階から専門の医師などと情報交換を行いながら、販売開始時に新製品を選択してもらえるように、医師との関係強化を図ることも重要な業務となります。

近年は、新薬の製造販売の承認申請に欠かせない臨床試験を、日米欧で同時に行う「国際共同治験」が増加しており、新薬開発の国際化が急速に進んでいます。それにともない、海外で開催される関連学会へ出席、海外の医師との情報交換、外資系製薬企業の場合は本社との会議などの機会も増えたことから、PM(プロダクトマネージャー)には国際舞台での情報収集力や交渉力、語学力が求められるようになってきました。

PM(プロダクトマネージャー)は経験豊富なMR(医薬情報担当者)が昇進してなるほか、専門知識を有する元医師や元研究者が就任します。外国語が堪能な人材の必要性が増していることから、外国人を採用するケースも増えていきました。

国内の製薬企業のなかで、総売上に占める海外販売額の割合が最も高いエーザイは、PM(プロダクトマネージャー)を、薬の販売促進活動を専門とする「製品プロダクトマネージャー」と、臨床研究センターの市販後臨床部に所属する「臨検プロダクトマネージャー」の2種類に分けて配置しています。

医療医薬品は、市販後も副作用や有害事象の報告、再審査、再評価が薬事法によって義務付けられています。臨検プロダクトマネージャーは、市販後調査で情報を収集するMR(医療情報担当者)からフィードバックされた情報の分析・評価を行います。そして臨検プロダクトマネージャーによるデータの解析結果は、MR(医薬情報担当者)を介して臨床現場の医師や薬剤師に伝えられます。

一方、海外の製薬企業のPM(プロダクトマネージャー)の業務は医薬品のプロモーションが業務の中心となります。医師や研究者とともに医薬品の開発・改良などを企画・立案する役割は「メディカル・アドバイザー」と呼ばれる職種に委ねられています。ジェネリック医薬品の普及、ゲノム創薬、先進的な医療機器の開発が相次ぐなど、新たな課題が増えている近年の製薬業界を考えれば、専門領域や業務ごとにPM(プロダクトマネージャー)を分けて配置する製薬企業が、今後は増えるのではないかと考えられています。

市販後調査の目的

医薬品が市販されて間もない時期には、治験の段階では判明に至らなかった重篤な副作用が発現する可能性があり、その使用には慎重さが求められると同時に重篤な副作用が生じた場合には、必要な対策を早急に講じる必要があります。

そこで新医療用医薬品を対象として、可能な限り網羅的に副作用の情報を把握するための「市販後調査」が、2001年10月から「医薬品GPMSP」を一部改正して実施され、現在は2005年4月施行のGVP(医薬品等の製造販売後安全管理の基準)により行われています。

市販後調査の目的は速やかな情報収集にあり、過去に起きたソリブジンの相互作用、トログリタゾンによる重篤な肝障害などの重篤な副作用が導入の背景にあります。

市販後調査は新医薬品を対象として、販売開始直後の6ヶ月間において、製薬企業のMRが医療機関、医師等を定期的に訪問し、自社製品に関する情報を提供することで適正な使用を促します。その医薬品によるものと疑われる障害、それにつながる恐れのある症例など重篤な副作用および感染症が発生した場合、その情報を迅速に把握し、副作用などの被害を最小限にするため、必要な安全対策を講じることを義務化しています。

医療機関に対する調査への協力依頼は、医薬品の納入前から行うことが原則となっており、その後、納入開始後2ヶ月間は、概ね2週間以内に1回、その後も適切な頻度で行います。そして、調査終了後2ヶ月以内に市販後調査実施計画書と同実施報告書を医薬品医療機器総合機構に提出することになっています。調査そのものは再審査の対象にはなりませんが、調査を通じて同機構に報告した副作用・感染症例は再審査申請資料として必要となります。