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シェリング・ブラウと統合して誕生したMSD

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米国メルクは総合化学メーカーである独メルクの医薬品を販売する会社でしたが、第二次世界大戦をきっかけに資本関係は断ち切られることになりました。国外ではMSDの社目で企業活動を行っています。

研究・開発型の医薬品企業である米国メルクは1950年にシャープ&ドーム社を買収して、多国籍化を進めていきました。日本では、萬有製薬との合弁会社として日本メルク萬有を設立し事業を展開。

その後は合併先である>萬有製薬の子会社化を進めながら、日本メルク萬有の統合を進め、日本での事業活動を萬有製薬に一本化しました。2000年には表記を「萬有」から「万有」に変更し、2004年いは同社の全株式を取得して、完全子会社化を図りました。2010年10月には、万有製薬とシェリング・ブラウ社と統合したため、MSD (Merck Sharp & Dohme)となりました。

長年にわたって、画期的新薬の研究・開発を中心とする医療用医薬品事業に特化した事業活動を展開しており、連結売上の構成比は医療用医薬品が86%m動物約が7%、大衆薬が4%となっています(2011年度)。1990年代以降はバイオベンチャー企業の買収や提携にも積極的に行っており、低分子医薬品が中心だった従来の製品ラインナップに高分子のバイオ医薬品が加わると期待されています。

現在では、主力製品の気管支喘息治療薬「シングレア」、高血圧症治療薬「コザール」、糖尿病治療薬「ジャヌビア」、骨粗鬆症治療薬「フォサマックス」、高脂血症治療薬「ゾコール」などをはじめ、骨・呼吸器・免疫疾患・循環器疾患・感染症など幅広い領域の製品を販売しています。

また、非営利事業ではありますが、医学書のメルク・マニュアルを出版し、1899年の初版以来、多くの医療関係者に愛読されています。また、一般患者・家庭向けのメルク・マニュアル家庭版も合わせて出版してます。

糖尿病治療薬「ジェヌビア」が急成長、最大製品の座へあと一歩

2011年度の連結売上高は480億ドル(3兆8000億円)となり、シェリング・ブラウとの合併効果で大幅増収となった前年度に比べて4%増となりました。製品別にみてみると、DPP-4阻害薬の糖尿病治療薬「ジャヌビア」、同剤とメトホルミンの配合剤「ジャヌメット」、抗HIV薬「アイセントレス」、子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル」の売上が大きく伸びています。

「ジャヌビア」はDPP-4阻害薬として最初の上市で、小野薬品の「グラクティブ」と並行販売を展開しており、効果も高く評価されています。ノバルティス・ファーマの「エクア」、武田薬品の「ネシーナ」など、後続のDPP-4阻害薬が相次いで上市されるなかでも、併用療法などのプロモーションを展開した高い成長を実現しています。2011年度の「ジャヌビア」と「ジャヌメット」の合計売上は47億ドル(前年比40%増)となっています。2011年5月にα-Gl薬併用の適応追加を取得、さらに同年9月にインスリンとの併用が適応追加となり、より一層の売り上げが期待できます。

喘息治療薬「シングレア」も1日1回投与、2週以上の処方が可能、即効性などを特徴として売上は前年比10%増の55億ドルと順調に推移していますが、2012年に特許が終了します。今後、同社の最大製品は「シングレア」から「ジャヌビア」

アレルギー性鼻炎治療薬「ナゾネックス」、脂質異常症治療薬「ゼチーア」の売上も増加しており、後者はバイエルとのコ・プロモーションを展開しており、スタチン系以来20年ぶりの新規作用機序を持つため、スタチン系成剤との併用などの使われ方をしています。

抗リウマチ薬「レミケード」は27億ドルでほぼ横ばいでしたが、次世代製品の「シンポニー」は2億ドルを超え、2品目の合計29億ドルは前年比4%の増加となっています。筋弛緩回復薬「ブリディオン」も順調な伸びを見せています。

アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の降圧薬「ニューロタン」は、国内で最初に上市されたARBですが、武田薬品の「プログレス」、ノバルティス・ファーマの「ディオバン」、第一三共の「オルメテック」など競合も多く、競合他社が資本を集中させていることから苦戦が強いられています。

そのほかの製品では脂質異常症の治療薬「リポバス」、インターフェロン製剤「ペグイントロン」、ACE阻害薬の降圧薬「レニベース」が減少しています。2012年1月にキャンディン系抗真菌薬「カンサイダス」、傾向ロタウイルスワクチン「ロタテック」が承認され、感染症領域に対し新薬を複数投入しており、今後が期待されています。

今後の展望

2011年10月にmTOR阻害剤の肉腫治療薬「リダフォロリムス」を申請していますが、販売中の主力製品と同様に開発パイプラインも低分子医薬品が中心となっており、同年5月に承認されたC型肝炎治療薬「ボセプレビル」以降、主要な抗体・分子標的の高分子医薬品がないのが同社の課題です。

2013-14年にFDA申請を予定している6品目も、カテプシンK阻害剤の骨粗鬆症治療薬「オダナカチブ」、不眠症薬「スボレキサント」、高脂血症治療薬「トレダプティブ」、トロンビン受容体(PAR-1)拮抗剤の抗血小板薬「ボラパクサール」、「ガーダシル」の後継品となるパピローマ・ウイルスワクチン「V503」などであり、低分子医薬品となっています。