製薬会社のMR(医薬情報担当者):医療従事者に自社製品の情報を提供

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MRの営業力が製薬会社の売上を左右します

JPMAの行動基準を遵守

大学病院やクリニックを訪問して、医師や薬剤師に自社の医薬品に関する情報提供(安全性や有効、副作用、禁忌etc)を行ったり、その医薬品を使用した臨床現場の生の声(新たな効能、副作用、医師や患者からの要望etc)を収集し、既存の医薬品の改良や新薬の開発に反映させる役割を担っているのが、MR(医薬情報担当者)です。

2012年3月末現在、国内のMR数は約6万4000人(交易財団法人MR認定センター調べ)おり、過去最高数を記録しました。

この背景には、MR業務受託・派遣企業(CSO)からの契約社員として働くコントラクトMRが増加していること、国の医療費抑制策が続く中で売上を維持するために、MRの増員で営業力を強化していることなど一因とされています。

MRにとって「顧客」となる医師や薬剤師などの医療従事者を相手に仕事を円滑に行うためには、担当する製品領域において、医師と同等以上の疾患知識と薬剤の知識が必要です。また、診療で多忙を極める医師への気遣い、タイミングやポイントを絞った情報提供などが求められます。また、医療の「消費者」である患者中心の医療が常識となった近年、患者にとってメリットにつながる情報提供活動をMRが行うことも重要です。それにより、医師との間に信頼関係が生まれ、結果的に自社製品の普及が実現できるからです。

MRは直接、医薬品の代金の収受をすることはありませんが、MRの活動が製薬企業の売り上げを左右していることには違いありません。ただし、自社製品の売上を伸ばすための過剰なノルマや法外な出来高制報酬は販売競争を激化させ、バブル期に問題となった医師への過剰接待、薬剤の乱用や高価な薬の販売への偏向を招きかねないため、MRの報酬体系はJMPA(日本製薬工業協会)による自主規制が設けられており、MRの活動内容についても同じくJMPAが作成した「MR行動基準」によってその遵守が義務付けられています。

MRは、このような倫理規定や行動基準に抵触し無い様にしながら、辛抱強く営業活動を行っていますが、その販売力の指標は「医薬品の売上÷製薬企業のMR数」で数値化され、製薬企業ごとに評価されています。当然、流行している疾患に使用される薬(例:インフルエンザ流行時のタミフル)を多く扱っていれば、営業力に関係なく売上高は伸びますし、薬の価格や保険の適応の有無、企業の宣伝力なども売上高に影響を与えることも事実です。

国内の製薬企業を比較すると、武田薬品工業が突出して高い数字を示しており、MR1人あたりの生産高は2億9600万円となっています。一方の外資系の製薬企業は、売り上げに対してかなり多くのMRを雇用していることが分かり、国内市場における販売戦略に相当な力を入れている証拠ともいえます。また、がんなどの専門性の高い領域にはその領域に特化したMRを配置する企業も多く、今後はMRの機能分化が進んでいくと推察されます。